中国、アフリカに新型コロナワクチン10億回分を追加提供 習主席が表明

【北京=中沢穣】中国とアフリカ53カ国による「中国アフリカ協力フォーラム」の閣僚級会議が11月29日にセネガルの首都ダカールで始まり、中国の習近平しゅうきんぺい国家主席はオンライン形式での演説で、新型コロナウイルスのワクチン10億回分を追加提供すると発表した。一方で習氏が表明した投資額は100億ドル(約1兆1000億円」にとどまり、3年前の同フォーラムと比べて大幅に縮小。インフラ開発一辺倒だったアフリカ戦略の軌道修正を図っていることが鮮明になった格好だ。
 同フォーラムは3年ごとに中国とアフリカで交互に開いている。前回は北京で首脳会議を開催したが、今回は習氏がコロナ感染への警戒から外遊を控えていることから閣僚級会議になった可能性もある。

◆「西側のワクチン独り占めがオミクロン株招いた」

 追加提供するワクチンは6億回が無償援助で、4億回は中国企業とアフリカ側の共同生産などの形式となる。習政権は「ワクチンを独り占めする西側諸国の身勝手な政策が、(新型コロナの変異株)オミクロン株の出現を招いた」(中国紙、環球時報)などと批判を強めており、「ワクチン外交」を加速させて欧米諸国と一線を画し、影響力拡大を図る狙いがある。中国はこれまでアフリカ諸国に2億回分を援助している。
 習氏は演説で「今後3年間で100億ドル以上」の企業による投資を促進すると表明。3年前には習氏は、無償援助や有利子融資を含む600億ドルの支援を表明しており、大盤振る舞いから方向転換した形だ。

◆「債務のわな」批判意識?インフラ開発一辺倒を見直し

 さらに習氏は「アフリカの最も発展していない国々」を対象に、今年末に償還期限を迎える無利子融資の支払いを免除する方針も示した。今後3年間でアフリカから3000億ドル分の農産物を輸入するように努力するとも表明した。
 中国は、発展途上国に過剰な借金を押しつけ、政治的要求に従わせるという「債務のわな」批判を浴びており、呉江浩ごこうこう外務次官補は26日の記者会見で「『債務のわな』はすべて西側の政府とメディアがでっち上げた物語だ」と反論していた。

https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/145740


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