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「私にとって存在を否定する言葉」
Kota Hatachi / BuzzFeed

崔さんはこのほかにも「極東のこだま」を名乗るTwitterの匿名アカウントに暴力を示唆する書き込みをされたり(川崎簡裁が罰金30万円の略式命令)、職場に脅迫状を送られる(脅迫罪で刑事告訴、現在捜査中)などしており、外出時には防刃ベストをつける生活を強いられている。

弁護団の師岡康子弁護士は同日開かれた会見で、これらの被害の根本に「ネットリンチ」が存在していることに触れ、「在日、しかも女性である崔さんが攻撃の的とされている。日常生活でも恐ろしい思いを続けており、家族にも影響が及んでおり、放置できない」と話した。

同じく弁護団の神原元弁護士は「日本では差別が不法行為であるということが必ずしもはっきりしていない。裁判を通じて社会的に確立させたい」と話した。包括的な差別禁止法の制定や、者が司法に頼らずとも申告できる制度、機関の必要性にも言及した。

一方、崔さんは会見で、「祖国へ帰れという言葉は、私にとって存在を否定する言葉です。この社会にいてはいけないんだと言われている言葉です」と語り、こうも訴えた。

「ネット上の差別、ヘイト書き込みと向き合うときは、本当に孤独です。人々の生活に欠かせないツールであるネット社会で、こうやって匿名に隠れて人を人とも思わない書き込みが野放しにされているということ、被害が生じていいるけれども、被害者がとる策がほとんどないということを、ぜひ知っていただきたい」

「一方で『帰れ』という言葉は、私だけではなく、路上のヘイト街宣などで子どもたちも向けられています。差別が違法であると司法の場で示されることによって、法律や条例の運用の大きな力となり、ヘイトスピーチが野放しにされない社会になってほしいと願っています」

いまだ、崔さんを匿名で攻撃している人は少なくない。現在、このほかにも発信者情報開示請求を並行して続けているという。