10日閉幕した臨時国会で、安倍政権が強行成立させた「水道民営化法」を巡り、かねて民営化を推進してきた内閣府に“水メジャー”の仏「ヴェオリア」の日本法人社員が出向していたことが発覚。
「利益誘導だ」と批判が噴出したが、実は「麻生財務相も一枚かんでいるのでは」との怪情報がSNS上で飛び交っている。日刊ゲンダイは真相を追った。

〈麻生太郎の娘婿がヴェオリア社の幹部〉〈麻生太郎の娘がヴェオリアの重役と結婚しフランス在住〉〈水道民営化して(麻生の)娘は大儲け〉――。ネット上には今、こんな投稿があふれ返っている。

まず、麻生氏の娘についてだが、フランス人男性と結婚したのはまぎれもない事実。「週刊文春」(2014年1月30日号)によると、麻生氏の娘は、同年1月中旬に結婚お披露目会をパリで開催した。
会場は、フランスで200年以上の歴史を持つ5つ星ホテル「ル・ムーリス」。両家と近しい関係者約30人が参加した夕食会は、ルイ15世の寵愛を受けた公妾の肖像画が飾られている「ポンパドゥール夫人の間」だった。

麻生氏の娘は東大文学部で美術について学び、卒業後、イギリスの大学に留学。フランス人の夫とは、美術品のオークションなどを手掛ける会社に勤めてから知り合ったという。
一方、夫がヴェオリアに勤めているかどうかは真偽不明だ。事実を裏付けるだけの情報を得ることはできなかった。

 ただ、妙な疑いを持たれているのは、麻生氏の過去の発言が原因となった可能性が高い。
麻生氏は、娘の結婚お披露目会の約9カ月前、13年4月に米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所」の講演で、「(日本の)水道はすべて国営もしくは市営・町営でできていて、こういったものをすべて民営化します」とぶち上げたのだ。

事実関係について麻生事務所に問い合わせたが、期限までに返答はなかった。後ろめたくないのなら、堂々と説明すればいい。

 娘の旦那の会社に利益誘導という情報が“フェイクニュース”だとしても、それを信じ込ませてしまう素地が、麻生氏にはある。

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