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10月24日には、栗田艦隊突入の囮(おとり)の任をおびた小澤艦隊(機動部隊)も、敵機動部隊に向け57機の攻撃隊を放っている。
戦果らしい戦果は挙げられなかったが、この攻撃を受けた米艦隊は、ようやく日本の機動部隊がフィリピン北方に迫っていることを知る。
米艦隊最高指揮官・ウィリアム・ハルゼー大将は、小澤艦隊を日本海軍の主力機動部隊であると判断し、午後8時過ぎ、指揮下にある全機動部隊に北上を命じた。
つまり、小澤艦隊による囮作戦は、やや遅ればせながらではあるが成功しつつあったのだ。
朝から間断なく続いていた栗田艦隊に対する攻撃がやんだのは、このためだった。
栗田艦隊は、こんどは敵の妨害を受けることなく、真夜中にサンベルナルジノ海峡を通過することができた。
10月24日の夜、大西瀧治郎中将は、翌10月25日早朝、栗田艦隊のレイテ湾突入に呼応して、編成された特攻隊全機を発進させることを命じた。
本来の「栗田艦隊の突入を支援するため」という特攻の目的からすれば、これがラストチャンスだった。
その後、神風特攻隊は驚くべき戦果をあげ、栗田艦隊の突入を支援するという目的を大いに果たすことになる。
しかし、肝心の栗田艦隊は思いがけぬ行動を取り、貴重な戦力を失っていく……。
その様子は<【後編】大戦果を挙げた「神風特攻隊」…しかし、艦隊の「謎の反転」で全ては水泡に帰した>にて語る。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6e72545bff51f1185c3056c16a6be4be6c9b18cc