「それくらい我慢できるでしょ」シャープペンの音、給食のにおいに悩まされた少年が14歳で「感覚過敏研究所」をつくるまで

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12歳で起業してから15歳になった現在までの間に、通信高校1年生の加藤路瑛さんは事業をはじめ、いろいろな挑戦を続けてきた。

【画像】街でこのバッジを見かけたら…

 中でも大きな注目を集めたのが、中学2年生だった昨年1月に設立した「感覚過敏研究所」だ。

 話題になったきっかけは、新型コロナウイルスだった。マスクの着用がほぼ義務化していく中で、「感覚過敏」によってマスクを着けたくても着けられない人たちがいた。その人たちのための商品を開発、販売をして注目を集めたのだ。

 感覚過敏とは、視覚や聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの五感の反応が人よりも敏感で、日常生活に困難を生じるようになった状態を指す。

 たとえば視覚過敏であれば、スーパーの陳列棚が発する白い光で頭痛を起こしたり、吐き気を催す。聴覚が過敏だと、街中の騒音に耐えられずうずくまってしまうケースもある。敏感に反応してしまう対象は人それぞれで、一律の解決方法はない。

「かまってちゃんなの?」
 個人差が大きいこともあり、社会的にはまだ広く認知されているとは言い難い。本人は深刻な苦しみを感じていても、「それくらい我慢できるでしょ」「かまってちゃんなの?」と攻撃を受けることさえあるのが現状だ。しかし感覚過敏は、本人の気持ち次第で我慢できるという類のものではない。

 さらに認知度の低さゆえに、苦しんでいる本人ですら、その理由が感覚過敏であることに気づけないことも多い。

 加藤さん自身は特に味覚が敏感だったが、「自分が感覚過敏だということはずっと分かりませんでした」と言う。