世界に衝撃を与えた2001年のアメリカ同時多発テロ事件から11日で20年となります。
事件のあと、アメリカは「テロとの戦い」を掲げ、アフガニスタンやイラクで大規模な軍事作戦を展開しましたが、反米感情も高まる中、テロ組織は世界各地に広がり、その脅威は依然として残ったままです。

20年前の2001年9月11日、アメリカで起きた同時多発テロ事件では、日本人24人を含む、合わせて2977人が犠牲となりました。

事件を受けて、当時のブッシュ政権は「テロとの戦い」を掲げてアフガニスタンで大規模な軍事作戦を開始し、2003年にはイラク戦争にも踏み切りました。

アメリカは、テロ事件の首謀者として、国際テロ組織「アルカイダ」を率いていたオサマ・ビンラディン容疑者を2011年に殺害し、軍事作戦によってアメリカに対するテロの脅威を取り除くという目的は達成されたなどとして、先月、アフガニスタンでの駐留に終止符を打ち軍を撤退させました。

しかし、アフガニスタンでは武装勢力タリバンが権力を掌握し、再び国際テロ組織の温床になることへの懸念が出ています。

アメリカのブラウン大学などの研究チームが今月公表した報告書によりますと、この20年間で、アフガニスタンとイラクで戦闘やテロに巻き込まれて犠牲となった市民は23万人から25万人に上り、中東などではアメリカが主導する「テロとの戦い」への反発が強まりました。

反米感情も高まる中、テロ組織は世界各地に広がり、アメリカ国務省が指定する国外のテロ組織の数は同時多発テロ事件の前は29だったのが、現在は72と、この20年間で2.5倍に増えていて「テロとの戦い」を経て、世界各地で依然としてテロの脅威が残ったままです。

(後略)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210910/k10013253891000.html