平成30年に乗員9人が死亡する墜落事故が起きた防災ヘリコプターの後継機「はるな」の就航式が8日、群馬ヘリポート(前橋市)にある群馬県防災航空センターで行われた。はるなは同日午後1時から緊急運航を再開。災害地域の救助活動などに派遣される。
式典には、山本一太知事や県防災航空隊員35人が出席した。山本知事は「二度と事故を起こさないことを改めて決意し、防災ヘリの安全運航に全力を尽くす」と述べた。
山本知事は「原野火災や山岳遭難などの危険が常に多いこの地域で期待は大きい。ヘリを安全に飛ばしてほしい」とも報道陣に語った。同隊の桑原和明隊長は「たくさんの悲しみを背負って訓練に臨んできた。防災ヘリの操縦経験がある新たなパイロットたちとともに災害から人々の命を守っていく」と誓いを新たにした。
新機体はイタリア・レオナルド社製の「AW139型」で、名称は前機体と同じ。事故の教訓を踏まえ前の機体になかったオートホバリング機能や空中衝突を防ぐ装置、フライトレコーダーなどを搭載した。
事故当時の運航は東邦航空(東京)だったが、朝日航洋(同)に変更された。新しいはるなは今年4月から消防隊員を乗せて訓練を実施してきた。2人の操縦士を搭乗させる「ダブルパイロット制」も導入し、安全性を高めている。
墜落事故は30年8月10日、登山道の視察をしていた「はるな」が中之条町の山中に墜落し、乗員9人が死亡した。
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