今夏の猛暑や豪雨といった悪天候で作物が育たず、家庭の定番野菜が値上がりし、高止まりが続いている。今後出荷が始まる秋野菜にも
影響は広がりそうで、品不足の傾向は長引くとみられる。山陰両県の消費者は家計のやりくりに苦慮し、スーパーは割安感を出そうと売り方を工夫する。
東亜青果(米子市米原9丁目)ではこの時期、北海道、関東産が7割を占めるホウレンソウの卸値が1キロ1300〜1400円、小松菜が同550〜600円と、
平年比4〜5割高い。仕入れ量は前年の3〜4割減で、木村廉統括部長(66)は「悪天候で作物が育たず、出荷が少ない。9月中旬までは品薄と高値が続くだろう」と見通す。
秋野菜の定植も遅れているとの情報が入り「季節で産地を切り替える『産地リレー』がつながらない可能性がある」と懸念した。
松江合同青果(松江市嫁島町)でも地元産のトマトは例年比5割高い4キロ2千円、ナスは2倍超の5キロ3千円で、水害と台風被害を受けた春菊・水菜は出荷がない状況という。
イオン松江ショッピングセンター(同市東朝日町)はホウレンソウやレタスの価格が例年比で5割高い。半分にカットするほか、価格が変動しない袋サラダの発注を2倍に増やした。
来店した市内在住の女性(52)は「今は安く買い物を済ませられるようチラシを見比べている」と話した。
(金津智也)
https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/89109