遅刻で金メダル取り消し 母国は怒り爆発、繰り上がり選手に中傷も
2021年9月2日 13:19 

8月31日に行われた東京パラリンピックの男子砲丸投げ(知的障害F20)決勝で、集合時間に遅刻したマレーシア人選手の金メダルが取り消される出来事があった。
国際パラリンピック委員会(IPC)は1日、大会側の決定を支持するとの見解を示したが、選手の母国マレーシアでは怒りの声が爆発している。

競技後に棄権扱いになったのは前回リオデジャネイロ大会でも金メダルを獲得したムハマドジヤド・ゾルケフリで、同選手は集合時間に遅刻していたものの当初は出場を認められ、世界新記録で優勝した。
しかし大会側はその後、正当な理由もなく待合室への到着が遅れたとし、ゾルケフリら3選手を棄権扱いとすると発表。その結果、2位だったウクライナのマクシム・コバルが金メダルに繰り上がった。

IPCのスポークスマンを務めるクレイグ・スペンス氏によれば、審判はゾルケフリの遅刻に「正当と認められる理由がない」と判断し、その後の異議申し立ても却下された。
だがそうした状況の中で、金メダルに繰り上がったウクライナの選手が「マレーシアの人たちから大量の誹謗中傷を受けている」事態にも発展しているという。
「彼らはウクライナ人選手が金メダルを盗んだと主張している。絶対に違う。ウクライナ人選手とは無関係だ。問題は遅れてきたアスリートにある」と述べたスペンス氏は、
「多くのマレーシアの人の感情がソーシャルメディアで爆発している。極めて攻撃的で、個人的にはばかげていると思う」と付け加えた。

遅刻した3選手は集合について聞かされていなかった、または理解できない言語でのアナウンスだったと主張しているというが、スペンス氏は他の選手は時間通りに集合場所に来たと指摘している。

https://www.afpbb.com/articles/-/3364418
男子砲丸投げ(知的障害F20)決勝に臨むマレーシアのムハマドジヤド・ゾルケフリ
https://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/f/d/810wm/img_fd99da43b9e97c626004d8616a91bfc6131701.jpg