巨額の賠償、関与を後悔 著作権法違反 「ファスト映画」ナレーター男性
8/26(木) 19:44

映画を10分程度に無断編集し、結末を明かす「ファスト映画」の製作者5人が著作権法違反容疑で摘発された
事件で、ナレーションを担当した川崎市在住の20代のアルバイト男性が、映画会社のうち1社と1000万円超の
賠償金を支払うことなどを条件に和解していたことが分かった。

男性は26日、取材に応じ、「暗黙の了解で見逃してもらえると、甘い認識を持っていた」と悔やんだ。

 男性は札幌市の無職高瀬拳也被告(25)=著作権法違反罪で起訴=らと共謀し、「アイアムアヒーロー」など
の映画4本を編集した違法動画を無断でユーチューブに投稿したとして、7月に宮城県警に書類送検された。
ゲームに関するチャットで親しくなった高瀬被告から依頼され、2019年12月から半年余りで約70本のナレー
ションを録音。計約10万円の報酬を受け取ったという。

 「お金が目的ではなく、友達のお願いを聞いている感覚だった」。男性は当初、違法ではないかと警戒したが、
高瀬被告に「映像にはモザイクを入れる」「知人の弁護士にも話を聞いたから大丈夫」などと説明され、協力を
承諾。高瀬被告が作った台本を基に録音を送り返していたが、投稿された映像にモザイクはなかったという。

 男性は次第に面倒になり、高瀬被告と疎遠になったが、今年4月に警察が自宅を訪れ、初めて事態の深刻さに
気付いた。「ファスト映画は、映画に関わる人への冒涜(ぼうとく)だと今は思う。ネットの世界と現実を分離して
考えてしまった」と振り返り、現在も著作権法違反の投稿を続けているユーザーには「ネットだから許されるだろう
という考えは捨てて、考え直してほしい」と訴えた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/80ef977d8536c310587c9fcd9d44656b90cb359c