厚生労働省は26日未明、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンで異物の混入が報告されたとして、一部で接種を見合わせると発表した。
東京、埼玉、愛知、茨城、岐阜の5都県8会場390回分で見つかった。事前に気づいて接種はしていないという。
接種を見合わせるのは、同じ製造工程でつくられた約160万回分だが、このうち何人に接種したかは分からないという。現段階で安全性の懸念に関する報告はないとしている。

 390回分は自治体の大規模接種会場や職域接種会場で使う予定だった。異物はモデルナ社に送り、成分を調査している。
ワクチンの瓶の栓に使うゴム片が混入するケースがほかのワクチンではあるという。
混入は8月中旬以降に複数の会場で接種者が気付いて、輸入、販売を担う武田薬品工業に報告され、厚労省は25日に把握したという。

 日本向けのモデルナ製ワクチンはすべてスペインの同じ企業の工場で製造している。
現在は大規模なメンテナンスを経て、異なる製造工程になっているという。

 接種を見合わせる対象ロットは3004667(約57万回接種分)、3004734(約52万回接種分)、3004956(約54万回接種分)。
厚労省は仮に異物がゴム片だとしても、筋肉注射であるため血管に詰まるなどのリスクは低いとしている。気になる症状がある場合は医療関係者に連絡するよう呼びかけている。

モデルナワクチンに異物 160万回分の接種を見合わせ
https://www.asahi.com/articles/ASP8V1Q35P8VULBJ001.html