五輪中は書けなかった韓国の「虎」に隠された悪意

韓国選手村の垂れ幕
https://i.imgur.com/iyLsDPB.jpg

すると彼は箸を置いて静かに私の目を見据えて、「この話を日本人に伝えるのは気が引けます」と口を開いた。
私は無言で次の言葉を促す。

「韓国語で虎はなんと言いますか?」

韓国語で虎は「ホランイ」だ。漢字語の虎は「ホ」と読むが、動物の名前としてはホランイが正しい。

「そうですよね。では、垂れ幕にはなんと書いてありますか?」

私はスマートフォンを取り出し、急ぎ垂れ幕を検索した。
すると、そこにはホランイではなく、見慣れない「ボム」という一文字が書かれていた。ボムが降りてくる…。
日本語のニュースで垂れ幕のことを知った私は、垂れ幕に書かれた文字を見て狼狽した。
ボムが虎を意味することは推測できるが、一般的に使われる単語ではないはずだ。

「そうです。ボムは韓国でも一般的には使いません。韓国語で『昔々』を表す『虎がタバコを吸っていた頃』という有名な例えでもホランイを使います。ボムは諺でもほとんど使わない古語なんです。
じゃあ、なんで韓国人も使わないボムを使ったと思いますか?」

混乱した頭であれこれ理由を想像してみたが、これだと思う理由には辿り着けなかった。
彼は一瞬、逡巡するかのように目を伏せたが、意を決して続けた。

「ボムを使った理由は私たちも分かりません。垂れ幕を作った大韓体育会が理由を公表してませんから。
ただ、一部ネチズンの間ではボムはBomb(爆弾)を意味する、つまり『日本に爆弾が落ちる』、過去を反省せずに韓国にマウンティングする日本には爆弾が落とされて当然と解釈されています。
流石にこれは韓国政府や国民の総意ではなく、一部の低レベルな意見ですが、これが日本に紹介されると韓国は間違いなく世界中から非難を浴びるでしょう」

私は言葉を失った。
あまりに酷い解釈に怒りを通り越して、この解釈が広まった場合の影響を考えてしまった。
ランチを後にしてスマートフォンで検索してみると、確かに彼が話したような解釈がヒットした。
わざわざ虎の部分を広島型・長崎型原爆に置き換えたコラージュ画像もある。

全文 https://wedge.ismedia.jp/articles/-/23970