女子高生とネトウヨのバトル

青木:つまり政治やメディアのレベルとか、あるいはオッサン的な心性のネトウヨ連中は韓国を罵り、しばしば居丈高にふんぞり返ったりするけれど、K-POPやファッションなどを入り口にして韓国エンタメに親しむ若年層や女性たちにはまた別の空気が流れている。それもオッサン的な心性のネトウヨを苛立たせるんでしょうね。

しかも最近はその韓国エンタメが世界中でも大人気でしょう。BTS(防弾少年団)は米ビルボード・チャートのトップを快走し、安田さんがあげた映画『パラサイト』は米アカデミー賞をはじめとする国際的な賞を総なめにした。韓国社会にもさまざまな矛盾や格差が渦巻いているけれど、余裕を失って不安感や焦燥感が蔓延する日本側には、かつて「遅れた国」ととらえていた韓国の躍進への嫉妬のようなものもあって、巷のヘイト言説の周辺にはそれが濃厚に漂っている。

安田:それはいまに始まったことではなくて、日韓ワールドカップのあとにNHKが「冬のソナタ」を放映し、韓流ドラマ・ブームがはじまるわけですが、初期の韓流ファンは中高齢女性が中心でした。その潮流に対する反発は、僕が取材したネトウヨにはものすごく強くありました。つまり、NHKや地上波のフジテレビが重要な時間帯に韓国ドラマを当て込むのが許せないというわけです。

その反発と差別意識が暴発したのは、2011年の反フジテレビ騒動ですよね。俳優の高岡蒼甫(現・高岡蒼佑)がフジは「韓国のTV局か」みたいな、要は韓国に乗っ取られたという意味のことをSNSに投稿して、そこにネトウヨを中心とした嫌韓層が同調した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f0d17c8680db538cd535570e8730bb342c76c0ef?page=2