中国、EXO元メンバーの性的暴行容疑 告発女性への報道巡り論争
8/7(土) 17:30
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毎日新聞

 中国・北京の公安当局は7月31日、中国系カナダ人の歌手・俳優で、韓国の男性アイドルグループ「EXO(エクソ)」の元メンバー、クリス・ウー(中国名・呉亦凡)容疑者(30)を性的暴行の疑いで拘束したと発表した。ウー容疑者の疑惑については、今年6月にインターネット上で性的暴行疑惑が提起され、この問題に関する中国メディアの報道姿勢に対しても中国のインターネット上で議論が起きていた。

 公安当局の発表文によると、今年6月から7月にかけて、19歳の女性とその友人らがウー容疑者に性的暴行を受けたと告発する文章を公開した。

 こうした告発などを受けて、公安当局は7月22日に捜査の途中経過を公表。その中で女性が文章を公開した目的が「自らの知名度を上げるため」だったと指摘すると、一部の中国メディアはSNSで「ネットで注目を集めて有名になろうとするのは正しい道ではない」などと女性を批判した。

 報道に対し、インターネット上では性的暴行被害を告発した女性に2次被害を加えるものだという趣旨の非難が、女性たちから相次いだ。ウー容疑者とCM契約を結んでいた大手ブランドや企業にも批判の矛先が向かったため、多くの企業が契約を解除した。

 中国ではここ数年、米国発のセクハラ被害を訴える「#MeToo」運動の影響などを受け、性的被害に対して声を上げる動きが活発化している。その一方で、そうした動きへの反発も根強く、せめぎ合いが続いている。

 ウー容疑者の拘束発表後、中国メディアは一斉にウー容疑者批判一色となり、中国共産党機関紙・人民日報のSNSアカウントは「外国籍は身を守るものとはならず、有名であることは免罪符にならない。人気が高まれば高まるほど自らを律するべきだ」とのコメントを載せた。【北京・米村耕一】
https://news.yahoo.co.jp/articles/46dba979c5faa6e8bf8e572e50346ae2eb068430