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小中学生の視力低下、肥満も増加傾向 コロナ禍が影響

裸眼視力が1・0未満の小学生の割合が約4割、中学生が約6割に上ることが、文部科学省が28日に公表した2020年度の学校保健統計調査で分かった。肥満傾向の児童生徒も増加傾向にある。文科省は、スマートフォンなどを長時間見る子どもの増加に加え、コロナ下の巣ごもり生活も一因とみている。

 視力などの健康状態の調査は、全国の国公私立の幼稚園、小中高校から抽出した7755校で行った健康診断の結果から、5〜17歳の計334万921人分を集計した。

 裸眼視力が1・0未満の児童生徒の割合は、小学生が37・52%、中学生が58・29%、高校生が63・17%だった。過去最多を更新した19年度の調査では小学生34・57%、中学生57・47%、高校生67・64%で、数値上は20年度の小中学生が上回った。ただ今回の調査は、健康診断の実施時期がコロナ禍による一斉休校の影響で例年の4〜6月から年度内に延長されており、調査時期が違うことから文科省は「過去の数値と単純比較はできない」としている。

 一方、標準体重より20%以上重い「肥満傾向」の子どもの割合も、小中学生の全学年で増えていた。

 視力低下について文科省は、今年度から小中学生1人に1台の情報端末が配備された影響を調べるため、小中学生約9千人を対象に、端末使用の状況と視力の関係を調査している。担当者は「生活の変化が視力にどう影響するか注視していきたい」と話す。(伊藤和行)