スペイン内閣改造を発表 支持率低下、巻き返し狙う
ヨーロッパ
2021年7月10日 23:06
【パリ=共同】スペインのサンチェス首相は10日、内閣改造を発表した。左派連立の現政権にとり、2020年1月の発足以来初の大規模改造。サンチェス氏率いる穏健左派、社会労働党(PSOE)は今年、世論調査で野党の右派、国民党(PP)に支持率首位の座を奪われており、心機一転巻き返しを図る考えだ。新閣僚は12日に就任する。
首相を除く閣僚22人中、7人の顔触れが変わる。女性は過半数を保ち、12人から14人へさらに増やした。サンチェス氏は発表で平均年齢が55歳から5歳若返ると指摘し、「世代上の刷新」と強調した。
第1副首相としてサンチェス氏を支えてきたカルボ氏が政権を去り、後任にカルビニョ第2副首相兼経済相が昇格。新型コロナウイルス流行による打撃からの経済復興に注力する姿勢を示した。ゴンサレス外相も交代させ、駐フランス大使のホセ・マヌエル・アルバレス氏を登用した。ロブレス国防相やグランデマルラスカ内相は留任。
ムンド紙が今月報じた世論調査結果で政党の支持率首位はPPで約29%。PSOEは約26%で2位となった。PPとPSOEの順位入れ替えが明らかになったのは5月。同月のマドリード自治州議会選挙で、国の新型コロナウイルス対策に反対する姿勢で人気を集めたPPのアジュソ州首相が勝利したのと重なる。
またサンチェス政権は6月、17年に北東部カタルーニャ自治州の独立の是非を問う住民投票を強行して反乱罪などで有罪となり、禁錮刑に服していた元州閣僚らへ恩赦を決定。少数政権運営のため、カタルーニャの地域政党の協力を固める狙いもあったとみられ、野党や世論は反発した。
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