夜半、神戸市内の路上で女子高生ら3人を自転車で追い越し、「お尻を見てくれませんか」と声をかけ、ズボンを下ろし、尻を見せたとされる男が逮捕された。容疑を認めているという。
「尻見せ」は何罪か?
2ヶ月前の事件だが、警察は防犯カメラの映像などから男を特定した。付近で同様の事件が3件起きており、関連を捜査中だという。
通行人の女性に陰部を見せるという事件はよくあるが、尻を見せるパターンは珍しい。こうした場合、刑罰が軽い順に次の3つの犯罪の成否が問題となる。
(1) 軽犯罪法違反
公衆にけん悪の情を催させるような仕方で尻、ももなど身体の一部をみだりに露出した場合、拘留(1日以上30日未満の身柄拘束)または科料(千円以上1万円未満の金銭罰)
(2) 刑法の公然わいせつ罪
不特定または多数の人が認識できる状態でわいせつな行為をした場合、最高刑は懲役6ヶ月、罰金だと30万円以下
(3) 都道府県の迷惑防止条例違反
人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をした場合、兵庫県だと最高刑は懲役6ヶ月、罰金で50万円以下(常習なら懲役1年以下、罰金100万円以下)
過去の「尻見せ」事件の摘発例を見ると、ほとんどが(1)であり、次いで(2)で、(3)は珍しい。大相撲がテレビ中継されているように、
尻は性的な意味合いが乏しいとされているからだ。むしろ実際の事件では、悪ふざけや嫌がらせの場合が多い。
https://news.yahoo.co.jp/byline/maedatsunehiko/20210711-00247207/