国による新型コロナウイルスワクチンの供給不足を受け、神戸市が5万人以上の予約を取り消した波紋が広がっている。市や医療機関に問い合わせや苦情が相次ぎ、突然の対応に医療機関の医師らも困惑。一方でワクチン不足にもかかわらず、ワクチンの廃棄が増える懸念も浮上している。

神戸市は2日、新規予約の停止とともに、米ファイザー製の集団接種は6日以降、医療機関での個別接種は12日以降の1回目の予約を取り消すと発表。急きょ「予約キャンセル連絡センター」を設け、直近の6〜8日に予約を入れていた約6200人に電話連絡し、65歳以上には米モデルナ製を使う会場への振り替えなどを案内した。市には「いつになったら予約できるのか」などの電話が3日だけで約1万3千件あった。
 一方、市内の診療所の医師は「ワクチンの廃棄が増えるのでは」と不安視する。ファイザー製ワクチンは1瓶で6回接種でき、診療所では毎日、6の倍数分の予約を受けてきた。1回目の予約だけが取り消されると端数が生じることになる。市は「捨てるわけにいかない。誰かに打ってもらうことになる」とするが、「半端分を1回目の人に打っても、2回目が打てるかどうか。何か対応を考えなければ」と頭を抱える。
 また各市町へのワクチン供給が不安定な中、兵庫県の大規模接種会場の予約増加が想定される。県によると、接種券を持つ18歳以上の県民が対象で、18日までの予約枠はほぼ埋まった。大規模会場はモデルナ製を使い、姫路会場で8月末、西宮会場で9月末までワクチンを確保できる見通し。県はその後、園田競馬場と姫路競馬場に会場を移し接種を延長予定だが、延長分は、国からワクチン供給可否の連絡がまだないという。

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