新型コロナ感染で、中和抗体だけでなく「感染増強抗体」もできると判明−阪大ほか

(略)

患者由来の76種類の抗体を解析、Fc受容体非依存的な感染増強抗体を発見

抗体はウイルス感染防御に重要な機能を担う一方で、ウイルスに対する抗体によって感染が増悪する現象が知られており、その現象は抗体依存性感染増強(ADE)と言われている。ADEはデングウイルス等で知られており、一度デングウイルスに感染した後、異なる型のデングウイルスに感染すると、最初の感染によって産生された抗体によって重症化する場合がある。

↑デング熱はデング出血熱になる

(略)

感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン開発が必要になる可能性

感染増強抗体の産生は、重症化に関与している可能性があるが、実際に体内で感染増悪に関与しているかはまだ不明であり、今後の解析が必要だ。しかし、感染増強抗体の産生を解析することで、重症化しやすい人を検査できる可能性があることもわかった。研究グループは、「中和抗体ばかりでなく感染増強抗体を解析することが重要。また、中和抗体が十分効かない変異株に対しては、感染増強抗体が優位に作用する可能性があるため、将来的には感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン開発が必要になる可能性がある」と、述べている。

www.qlifepro.com/news/20210526/sarscov2-antibody.html