LGBT法案、成立困難か 自民、集約見通せず

 LGBTなど性的少数者に対する理解増進法案は、今国会での成立が難しい情勢になりつつある。

自民党は党内審査を進めているが、保守系議員ら慎重派に異論が根強く、意見を集約できるかは見通せない。
会期末が6月16日に迫り、党執行部は同25日告示の東京都議選(7月4日投開票)を見据え、会期を延長しない方針で、審議日程も窮屈だ。

 法案を担当する党特命委員会の稲田朋美委員長は25日、政調審議会に出席。24日の合同会議で党内手続きを
進めることに了解を得たと報告した。異論に配慮してこの日の議論は見送った。稲田氏は27日の政審、28日の総務会で
了承を得た上で、公明党や野党と共同で国会に提出したい考えだ。

 24日までの合同会議では、野党との修正協議を受けて、法案に「差別は許されない」と盛り込まれたことを懸念する
声が続出。議論は2日間で計6時間近くに及んだ。全会一致が原則の政審、総務会ともにメンバーには慎重派が
含まれており、賛同を得られるかは不透明だ。

 与野党が共同提出する法案では省略できる委員会質疑を慎重派が求めていることもネックだ。自民党の
衆参国対幹部は「審議時間を取れないから、今国会での成立は無理だ」と口をそろえる。与党は、LGBT法案を
審議する内閣委員会では安全保障上重要な土地の利用を規制する「重要土地等調査法案」が優先で、
その処理が会期末ぎりぎりになる見込みのためだ。

 党内には、LGBT法案を成立させると衆院選に悪影響が及ぶとの指摘もある。首相周辺は「選挙前にやらない方がいい。
コアな保守層が逃げる」と語り、参院幹部も「この法案で票は増えない。保守層を固めた方がいいに決まっている」と拙速を戒めた。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/43431d4f682fc6f347d823afa9dfd7cc076a522e