中国政府は、台湾で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、ワクチンの供給で支援する用意があると
表明しました。台湾内で動揺が広がる中、中国として独立志向が強いと見なす蔡英文政権に対し揺さぶりをかけた形です。

台湾では、域内での感染確認が今月14日までの累計で164人だったのが、この3日間だけで700人以上増え、
感染が急拡大しています。

こうした中、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は17日夜、コメントを発表し
「最大限の努力を尽くして、台湾の同胞ができるだけ早くウイルスに打ち勝つよう支援したいと願っている」として、
中国製ワクチンを供給して支援する用意があるという考えを表明しました。

一方で、中国として独立志向が強いと見なす台湾の蔡英文政権が「1つの中国」の原則を受け入れていないことを念頭に
「多くの台湾の同胞は中国製ワクチンの使用を切望しているが、当面の急務は政治的な障害を取り除くことだ」
としています。

台湾では、感染の急拡大に対してワクチンの接種が進んでおらず、市民の動揺も広がっていて、中国としてはこうした
情勢も踏まえて、対応に追われる蔡政権に揺さぶりをかけた形です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210518/k10013036571000.html