論文の「弥生人の起源(Origin of Yayoi people)」の項を要約すると

- 日本人に遺伝的に最も近いのは韓国人
- 日本人と韓国人の分岐はおよそ3000年前に発生したとする説が有力
- 無文土器時代の朝鮮南部と、弥生時代の九州北部に共通した文化があり、考古学的にも裏付けられる
- 稲作は長江から伝播したが、長江付近の古代集団(XitoucunとTanshishan)は日韓の遺伝的基盤に実質的に寄与していない
- 現代日本人は、2方向モデル(縄文人と韓国人)よりも、3方向(縄文人と韓国人とホジェン族)でより精確にモデル化できる
- 3方向モデルの系統比は、それぞれ0.096, 0.832, 0.072と推定される
- 弥生人は現代韓国人よりも東アジア北方系寄りであったかもしれない
- いずれにせよ、現代日本人の縄文要素は10%程度である

Figure 3. Principal-component analysis of present-day and ancient East and Northeast Asians.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ase/129/1/129_201215/_figures/129_201215_3.jpg

 長江サンプル - 曇石山文化 (Xitoucun and Tanshishan sites, ~2500-2000 BCE) ※福建省のサンプルで代用
 西遼河サンプル - 紅山文化 (Hongshan culture ~3300-3100 BCE) 夏家店下層文化 (Lower Xiajiadian culture ~2000-1600 BCE)
 黄河サンプル - 龍山文化 (Longshan culture ~2100-2000 BCE) 後李文化 (Bianbian ~7600-7500 BCE) (Boshan ~6400-6100 BCE)

Exploring models of human migration to the Japanese archipelago using genome-wide genetic data
doi: https://doi.org/10.1537/ase.201215