欧州連合(EU)は29日、域内からのワクチン輸出について、今年1月末からの3カ月間で1億4800万回分の輸出許可を出し、うち日本向けが計5230万回分だったと明らかにした。

EUの行政を担う欧州委員会が記者会見で説明した。EUは、域内各国が契約通りの供給を確保できるようワクチン輸出を許可制にして管理しており、
4月27日までに44カ国・地域向けに779件の輸出を許可したという。日本のほかに量が多いのは英国の1730万回分、カナダの1420万回分、メキシコ970万回分、サウジアラビア620万回分など。

米製薬大手ファイザーの主要工場がベルギーにあるなど、EU域内にはワクチンの生産拠点が多い。
許可された輸出分のうちどれだけが日本に到着済みかは不明だが、日本はEU諸国生産分だけで5千万回分を超える量を確保している。

EUでは、接種が本格化した1月に英アストラゼネカなどの大幅な供給遅れが表面化した。
このため、しわ寄せがEUだけに偏るとみられる場合などには、輸出を差し止められる仕組みを導入した。
これまでにイタリアから豪州向けの1件が不許可になっている。(ブリュッセル=青田秀樹)

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