1日6万円をもたらした「協力金バブル」の闇 商店街に軋轢発生も
https://news.yahoo.co.jp/articles/956a1ca3046540cb2a07473b71aaa464f33932de?page=2


「家賃などの固定費はかかるとして、店を開けたらスタッフの人件費に水道光熱費、食材や酒代、氷代もかかります。
夕方から夜8時まで開けていても、売り上げは1〜2万円以下。それならば、いっそのこと完全に休みにした方が効率的。
周りの店がそうやってどんどん休むようになっていき、私も悩みましたが、結局店は緊急事態宣言明けまで休むことになりました」(横井さん)

休んでもらっているスタッフへの給与の支払いもあるが、何もせずに6万円をもらえるのは大きく、どうしても避けられない家賃の支払いをしても、一ヶ月で100万円以上手元に残る計算だ。
横井さんは最初、この間に新しいメニューを考えたり、銀行をはしごして借入金を利息の安いプランへ変更するなどして、来るべき日に備えようとした。
しかし、周囲の飲食店経営者仲間は、毎日、昼間から飲み歩いているという。

「一時的に手元の現金が増えたからというのはもちろん、この一年間、本当に死ぬような思いをしてやってきたので、ここにきて緊張の糸がプツッと切れた感じがしますよ。
一般のお客さんはほとんど来ませんから、仲間同士でお互いの店に集まっては金を落としあってね」(横井さん)

銀行やサラリーマン金融から金を借り、なんとかここまで店を維持してきたという飲食店経営者仲間の多くは、一時的に増えた金を借金の返済に回さず、中には家族旅行に出かけたものもいるという。
自身も含め、完全に感覚が狂っているのではないかと感じているのだ。

「ずっと地獄が続いて、昨年の秋頃にやっと希望が見えてきたと思うと年末にかけてまた地獄。もうダメだと諦めかけた時に一ヶ月で180万円の補償でしょう?昨日までは1000円の金にだってヒイヒイ言っていたのに、いきなりバブル。宝くじに当たったような感じ。
その差が激しすぎて感覚が狂い、家族旅行に行った人もいれば、仲間同士の飲み会では『ベンツを買う』などと豪語する人もいる」(横井さん)

続く