宇宙で目に見える物質はたった5%

宇宙が何でできているかを調べてみると、
われわれが知っている、陽子や中性子など
 ”目に見える”(観測されている)物質は全体の約5パーセントにすぎません。
その5〜6倍は未知の物質(ダークマター)が占めていると考えられます。
残りはダークエネルギーと呼ばれている正体不明のものです(図1)。
これまで宇宙の観測に利用されてきたのは、
主に光やX線、赤外線などの電磁波ですが、
”暗黒”物質というのは、
電磁波での観測では見ることができないため、
”暗黒(ダーク)”という呼び名がついています。

ダークマター存在の証拠はいくつもある

ダークマターは様々な観測からその存在が示唆されてきました。
1970年代後半、渦巻き銀河の回転速度分布を観測し、
銀河内の明るい星や星間ガスではない、
光では観測できないが重力を感じる物質の存在を立証しました(図2)。
また、非常に重い物質(すなわち大きな重力)があると
光が曲げられる、という「重力レンズ効果」からも
ダークマターの存在を示す証拠が得られています。

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