参考:桜花賞の2日前のニュース


“暴れ馬”メイケイエールに馬具なしは良策か奇策か「シンプルな方がいいよ」横山典と武英師の思惑は科学的合理主義を超えるか

「クロス鼻革も、矯正力のあるハミも、全部外す」。桜花賞に臨むメイケイエールについて口にした吉田助手のこのコメントには耳を疑った。
デビュー以来5戦、この馬が折り合ったところを見たことがない。現役有数の暴れ馬である。ここまでリングハミこそ使ってこなかったが、
ファンタジーSはビットガードでハミ身の動きがダイレクトに口の中に伝わるようにしていたし、近2走はクロス鼻革で鼻梁(びりょう)の中央を
しっかり押さえ込み、人に従わせるため厩舎は苦心を重ねていた。これをすべて放棄するという選択は、科学的合理主義に照らせばもはや奇策である。

騎乗する横山典は、馬の気性を繊細に操る大ベテランだ。ジョッキー上がりの武英師にとっても大先輩にあたる。装具について相談していないわけがない。
トレーナーに直撃すると「厩舎から装具についてシンプルにしようと思っていると伝えました。ジョッキーも『シンプルな方がいいよ』と言っていただけました」。
あるいはジョッキーからの提案だったのかとも思ったが、厩舎で思っていることにジョッキーもシンクロしたという形だ。

武英師は横山典について「馬の気持ちを最優先に、こちらの固定観念も超えて、感性に任せて競馬をされる方」と、話す。
事実、その通りだと思う。このジョッキーをして、この装具で臨むなら、もはやスピードに任せて抑えず先行する競馬しかない。

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