中国での「代替肉ブーム」で株価が急上昇している意外な企業 日本でも同じ動きが起きるかも
4/3(土) 19:30
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クーリエ・ジャポン

中国のファストフードチェーンで発売された植物肉ナゲットとバーガーPhoto by VCG/VCG via Getty Images
日本でも話題にのぼることが増えてきた代替肉だが、中国市場での動きは早かった。中国国内のスターバックスやKFCなど外資系ファストフードではすでに昨年春から代替肉を使用した商品が発売され、スーパーの店頭にも植物肉が並ぶ。

代替肉グローバル企業は今後の消費の伸びを見越して中国現地での生産体制を整備し、中国版代替肉スタートアップも続々と誕生している。そんななかで注目されているのが、中華料理に欠かせない意外な食品の生産企業だった。
中国の代替肉市場は年20%で増加

3月24日、マクドナルド・チャイナは公式サイトを通じ、上海、広州、深センで植物肉を使用したモーニングセットを発売することを発表した。昨年から中国国内のKFCやスターバックス、中国系の飲食チェーン店では植物肉製のバーガーや肉料理がすでに販売されており、今回の発表でファストフードチェーンでの代替肉販売が網羅され、定着を印象付けた。

米ビヨンド・ミートは2020年11月に中国浙江省での工場建設を発表。ビル・ゲイツや李嘉誠、グーグルが投資する米インポッシブル・フーズもシンガポールと香港での販売に続き、中国大陸での製造に向けてサプライチェーンの整備を進めていると報道されている。

中国発の企業でも、2019年の中秋節にはすでに代替肉スタートアップ「zhen meat」が代替肉月餅を発売。いくつもの企業が先を競うように誕生している。
この代替肉ブームについて中国紙「環球時報」は英「ガーディアン」紙を引用するかたちで、中国の植物肉市場規模が61億元にのぼり、毎年20%の勢いで増加する見込みだと伝える。

「1960年代、中国人ひとりが年に消費する肉は5キロだったが、2015年には48キロにまで増加した。カーボンオフのための取り組みの一つとして政府から市民に示された食生活指南には、肉類の摂取量を50%減らすように呼びかけられ、昨年の人民代表大会では人工肉の推進や管理を呼びかける議員も現れた」

中華圏ではもともと植物肉の存在は珍しいものではない。昔から仏教徒を中心に素食と呼ばれるベジタリアンフードが年代を問わず一般的に食されており、大豆などを原料にして精巧に、味も形も肉や魚にそっくり似せられた代替肉がある。

素食を謳ったレストランも多く、スーパーや市場の「素肉」コーナーは充実している。中華料理に調理されたそれらの伝統的代替肉は、一口食べただけでは本物の肉や魚と区別できないほどだ。

中国のネットスーパーで「人造肉(中国語で代替肉の一般的な訳語)」と検索すると、伝統的な素肉とスタートアップ系の代替肉が混在して売られている。またQ&Aサイトには「代替肉と素肉ってなにが違うの?」「ビル・ゲイツの代替肉って素肉なの?」といった質問も見られ、若い世代を中心に消費者の関心は高まっているようだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a43d39e85eadbdc13ffe5d334e8e3ab5f6cb047