アメリカと中国の外交当局トップ 初会談始まる

アメリカと中国の外交当局のトップによる会談がアラスカ州で始まりました。バイデン政権発足後初めてとなる両国の高官の対面での会談は冒頭から非難の応酬となり、両国の対立の激しさを示すものとなっています。

会談は日本時間の午前6時すぎからアメリカの最北端アラスカ州のアンカレジで始まり、アメリカ側からブリンケン国務長官と安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官、中国側から外交を統括する楊潔※チ政治局委員と王毅外相が出席しています。

会談では冒頭ブリンケン長官が「きょうは中国がわれわれの意図や取り組みを理解できるよう国内外の優先課題を議論し、中国の行動に対するわれわれの深い懸念、新疆ウイグル自治区や香港、台湾、アメリカに対するサイバー攻撃、同盟国への経済的威圧についても話し合いたい。これらは世界の安定を維持するルールに基づく秩序を脅かしている」と述べて中国側を非難しました。

これに対し楊政治局委員は「アメリカは武力と金融覇権を使って他国に圧力をかけたり、一部の国をあおり立てて中国を攻撃したりしている。新疆ウイグル自治区や台湾などは中国の不可分の領土であり、内政に干渉する行為には断固として反対し対応する」と述べて反発しました。

ブリンケン長官の冒頭の発言は2分余りでしたが、楊政治局委員は20分近く発言し、このあとも双方それぞれが反論する激しいやり取りとなりました。

バイデン政権は今回の会談を幅広い分野で問題を提起し中国側の姿勢を見極める場と位置づけているのに対し、中国側は両国間の課題を継続的に協議する足がかりにしたい考えとみられます。

会談は2日間にわたる見通しですが、冒頭の異例ともいえる非難の応酬は両国の対立の激しさを示すものとなっています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/k10012923251000.html