イギリス王室のハリー王子は、米CBSが7日にアメリカで放送した2時間の特別番組で、
イギリスを離れたのはタブロイド紙による妻メガン妃への人種差別が社会に広まったことが「大きな理由」だと語った。

米テレビ司会者オプラ・ウィンフリー氏が聞き手を務めたインタビューでハリー王子は、イギリスのタブロイド紙は「偏見に満ちて」おり、
「支配と恐怖の有害な環境」を作り出していると述べた。

また、父のチャールズ皇太子について、こうしたメディアと「折り合いを付ける」必要があると思うと話した。

これに対しイギリスの編集者協会は、メディアは偏見を持っておらず、「富と権力を持つ者に説明責任を果たさせようと」していると語った。

共にインタビューを受けたメガン妃は、ソーシャルメディアによってメディアとの関係が「未開拓の無法地帯」のようなものになったと話したほか、
英王室の広報チームは自分やハリー王子をうその記事から守ってくれなかったと述べた。

インタビューはアメリカでは7日にCBSで、イギリスでは8日午後9時からITVで放送された。
サセックス公爵夫妻は人種差別やメンタルヘルス(心の健康)、メディアとの関係、王室の人間関係など、非常にプライベートな事柄について話した。

後日インターネットで公開された未放送の動画で、ウィンフリー氏がイギリスを離れたのは人種差別のせいかと尋ねると、ハリー王子は「それが大きな理由です」と答えた。

ハリー王子は、昨年1月に公務から引退すると発表した直後に、「編集者の友人がたくさんいる人物」からメディアとの対決姿勢について警告されたと説明。
「メディアとそういうことはしないでくれ、人生を壊されるから」と言われたと話した。

メガン妃はこの数カ月前に、タブロイド紙メイル・オン・サンデーを提訴していた。
2019年に発表された5件の記事について、個人情報の不正使用、著作権侵害、データ保護法違反などに当たるとし、損害賠償を求めた。
この件についてハリー王子は当時、メガン妃が王子の母親の故ダイアナ元妃と「同じ力の犠牲者になってしまう」と、メディアを強く非難していた。




イギリスを離れたのは「タブロイド紙の人種差別」が大きな理由 ハリー英王子
http://www.bbc.com/japanese/56329725