火災現場、患者の容体を把握
 小松市消防本部は、一一九番した人から火災や事故現場などの映像を送信してもらう新たな通報システムの実証実験を進めている。
六日に同市殿町で火災訓練があり、このシステムを使った通報の流れや指令センターでの対応を確かめた。 (坂麻有)
 新たなシステムは、通報者のスマートフォンを活用する。
通報を受けると、指令センターから通報者のスマホに、システムの接続先URLをショートメールで送信。
通報者がアクセスすると、スマホのカメラが起動して撮影映像を共有できる仕組み。
 火災の規模や交通事故の様子、救急患者の容体などが一目で把握できるため、
心肺蘇生法などの処置を通報者に伝えられ、必要な機材も事前に準備できる。
映像は、現場に向かう最中の消防隊員らにも送られ、リアルタイムで見ることができる。
実証実験は二月中旬から始まり、九月末まで続く。
 この日は、殿町の民家から出火し、風下に延焼が拡大したとの想定で、同本部の消防隊員ら約六十人が訓練した。
通報者役の職員が、スマホで現場の様子を写しながら通報。稚松校下の自主防災組織や消防隊員が駆け付け、消火した。
 訓練は、春の火災予防運動(一〜七日)の一環。
中消防署の吉田昭信署長は「市消防本部として新たな機材やシステムを使った訓練を重ね、火災に備える」と話した。

通報者が映像→情報共有 小松市消防が実験
https://www.chunichi.co.jp/article/213670