新型コロナウイルスは、「売り手市場」だった雇用環境を一変させた。就職先が決まらずに卒業する大学4年生。コロナ禍で
「第二新卒」としての就活を迫られる人も。先が見通せないまま、新年度が迫る。

 愛知県碧南市の大学4年生の男性(21)は、卒業した4月以降の自分を想像できないでいる。まだ就職先が決まっていない。

 就職活動を始めたのは3年生の冬だった。特に行きたい業界はなく、合同説明会でいろいろな企業を見て志望先を決めようと
思っていた。しかし、コロナ禍で説明会は軒並み中止。オンラインに切り替わった。

 就活で重視しようと思っていた一つが、会社の雰囲気だった。しかしオンラインだと、画面の向こうは白い背景に社員1人だけ。
就職情報サイトで企業を検索しても、書いてある説明は似たような文言ばかりで違いがわからなかった。約20社エントリーしたが、いずれも内定は出なかった。

 昨年暮れごろから、2021年3月卒の求人が減っているのが目に見えてわかり、焦りが募った。親からは「アルバイトでも生きていけるから」と
言われた。「コロナで仕事がなくなった人に比べれば、自分は何も失っていないから……。文句を言ってちゃダメかなって思います」。
卒業後は、アルバイトをしながら就活を続けるつもりだ。

 コロナ禍で、転職を迫られている人もいる。

https://www.asahi.com/articles/ASP366KK6P35OIPE02C.html