2月下旬、タイ南部の海辺を散歩していたシリポーン・ニアムリンさんが「龍涎香(りゅうぜんこう)」を発見した。
その珍しさと驚きの価値から、ネット上で大きな注目が集まっている。
見慣れぬ大きなかたまりを見つけ、近づいてみたシリポーンさんは、魚のような芳香に気づいた。なんとなく
興味を引かれ、そのまま家に持ち帰ることにした。ご近所さんに聞いてみると、その物体は「龍涎香」ではないかと指摘された。
「龍涎香」は、マッコウクジラがイカやタコなどを飲み込んだ際に、クチバシなどの硬質部分が消化されず体内にとどまり、
長い時間をかけて結石化したものとされる。芳醇な香りがするため香料の原料として人気が高いが、捕鯨禁止もあり入手は困難になっている。
「龍涎香は『アンバー』とも呼ばれ、非常に希少価値のある香料の原料です。動物性で、香水を作る過程で使うと、香りが長もちしたり、
全体に調和のとれた匂いになります。クジラの口から吐き出されたのち、海面を漂うことから『浮かぶ金塊』『海の財宝』などと呼ばれます」
こう話すのは、日本フレグランス協会の吉岡康子さん。実際、シリポーンさんが発見した「龍涎香」は、重さ7キロほどで推定価格2700万円だという。
現在、本物かどうか専門家に確認中だが、シリポーンさんは報道陣に対し「もし本物だったら、生活が楽になるわね。買ってくれる人を見つけないと」と語っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab542c7a288197b3b2ff63f58fae870c42c83083