国の承認と違う方法で医薬品を製造したなどとして、富山県は3日、ジェネリック医薬品(後発薬)製造大手「日医工」(富山市)に対し、医薬品医療機器法に
基づき業務停止命令を出した。県によると、品質試験で不適合となり本来なら廃棄すべき錠剤を、砕いて作り直すなどしていた。不適切な製造は2009年頃から行われていたという。
県は記者会見で、富山第一工場(富山県滑川市)での製造を32日間、全社の製造販売を24日間、それぞれ5日から業務停止を命じたと発表した。
問題は、昨年2月に県などが実施した抜き打ち調査で発覚。不適合になったサンプル試験の勝手なやり直しや、長期間品質が保てるかを調べる安定性試験で
不適合が出た際に、出荷済み製品の回収を検討しなかったことも明らかになった。
日医工は県に対し、「製品を廃棄すると市場に欠品が生じる恐れがあるため、現場にはそれを避ける空気があった」などと説明。ジェネリック医薬品が
普及する中で、多くの品目を製造し、スケジュールが厳しくなっていたという。
同社の田村友一社長はオンラインの記者会見で、「業容を拡大する中で現場に無理をさせすぎ、品質管理体制や人材育成、教育のスピードが
対応できていなかった。心よりおわび申し上げる」と謝罪した。
同社は、県の調査を受けた後の昨年4月から今年1月にかけて、75品目の製品を自主回収している。健康被害は確認されていないという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210303-OYT1T50202/