沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺で中国海警局の船が領海侵入を繰り返している問題で、玉城デニー知事は19日、政府に対し、漁船などの安全確保に向けて適切な措置を講じるよう要請した。
玉城氏が今回のような、尖閣問題に特化した要請を行うのは異例だ。
ただ、中国大使館などに直接抗議することはなかった。

要請は、茂木敏充外相や河野太郎沖縄担当相ら関係閣僚に郵送などで行われた。
中国公船による領海侵入で不測の事態が起こることを憂慮し、
(1)尖閣諸島が日本固有の領土であることを国際社会に明確に示す
(2)海上保安庁の巡視船による冷静かつ毅然な対応を継続し、さらなる海上保安体制の強化を講じる
(3)冷静かつ平和的な外交により中国との関係改善を図る
−ことを求めている。

玉城氏はこれまで、沖縄担当相ら関係閣僚と面会した際、沖縄が抱える諸課題の一つとして尖閣周辺の安全確保を求めることはあったが、尖閣問題に絞って要請することはなかった。

また、米軍基地問題などでは米国大使館に申し入れや要請を行うのに、中国大使館には直接行動をすることがなく、県内の保守系議員などから毅然とした対応を求める声が上がっていた。

https://www.sankei.com/politics/news/210219/plt2102190043-n1.html