秋田県の自殺予防対策進会議が25日、県庁であり、2020年の県内の自殺者数は193人（前年比24人減）で、過去最少になったことが報告された。人口10万人当たりの
自殺者数を示す自殺死亡率は19・9で全国で7番目の高さとなった。
秋田県警などによると、自殺者の内訳は男性が136人（前年比23人減）、女性が57人（同1人減）。年代別では、例年と同様に高齢者の割合が多いが、20代以下が
17人で前年よりも7人増えた。県の自殺死亡率は岩手、山梨、宮崎、富山、青森、新潟に続く高さで、最も低いのは神奈川（13・5）だった。
月別では、県内で9月までは前年よりも少なく推移したが、10月以降は増えた。原因別（複数選択）では病気や精神的な疾患による健康問題が77件と最多で、
家族の介護などの家庭内の問題が27件、失業などの経済・生活の問題が26件だった。県保健・疾病対策課は「新型コロナウイルスの影響で将来に
不安を抱いたり、失業して生活が苦しくなった人もいるのではないか」とみている。
県が策定する「県自殺対策計画」では、22年度までに自殺者数を180人以下、自殺率19・3以下にする目標を掲げる。10年度からは民（住民）、学（研究機関）、
官（行政）の連携で自殺予防に取り組む「ふきのとう県民運動」を実施し、相談の窓口を設置してきた。また自殺防止に取り組むNPO法人「蜘蛛（くも）の糸」
（秋田市）は、20年8月から無料通信アプリ「LINE（ライン）」を使っての相談受け付けを実施している。
https://mainichi.jp/articles/20210125/k00/00m/040/197000c
