“虐待”にすら見える光景
中国の医学といえば、西洋医学と、漢方を用いた中国の伝統医学「中医学」の2つがあります。近年、中国全体の医療現場では、7割が西洋医学、3割が中医学だと
いわれています。特に、都市部では西洋医学的な考え方や治療が主流となり、医学に対する向き合い方は日本人や欧米人と大きく変わらなくなっています。
しかし、中国人の日常生活では、伝統的な中医学の考え方がかなり残っています。例えば、「体を冷やしてはいけない」「冷えは万病のもと」という考え方が代表的なものです。
中国では、特に抵抗力のない子どもの体を冷やさないように親たちが気を付けていて、「冷たい風に当たるのはよくない」と考えている人が多いのですが、
日本では逆です。「子どもは風の子」という言葉もあるように、健康のために、子どもにはあえて薄着をさせて、冬でも外で活発に運動させたり、
はだしで過ごさせたりするという家庭や幼稚園もあるほどです。
以前、日本へ観光にやってきた中国人から、「学校帰りの小学生の子どもたちが、真冬なのに半ズボンを履いていた。あれはどうしてなのか?」と
聞かれたことがあります。日本の私立小学校の中には、男の子の制服が冬でも半ズボンというところもあり、それを偶然見かけたようなのです。
日本人にとっては見慣れた光景ですが、中国人の目から見ると「あんな服装では体に悪いのでは?」「虐待ではないのか?」と映り、信じられない光景だったようです。
一方、中国の子どもはどんな服装なのかというと、かなり厚着をしています。特に、赤ちゃんも含め4〜5歳くらいまでの子どものほとんどは防寒のために
何枚も衣服を重ね着して、着膨れ状態で身動きが取れないくらいです。小学生の子どもが薄着で外にいるところも筆者は一度も見たことがありません(そもそも、
中国の小学生は塾の勉強などで忙しいので、真冬の放課後に公園で遊んでいる姿を見かけることはほとんどないのですが……)。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b61edb78924491bf4698ae00f9e8eefd83772b01