新型コロナ、医療崩壊の“元凶” 感染症専門病院がほぼゼロ 患者受け入れ実績が全病院の18% 識者「力があっても受け入れない病院がある」

 もちろん規模や設備の問題で受け入れられない医療機関も少なくないのだろう。だが、ICU等を有する医療機関についても、人工呼吸器やエクモを使用した新型コロナ患者を受け入れているのは28%、
人工呼吸器やエクモ使用以外の患者受け入れが47%、そして受け入れ実績なしが25%にのぼっているのだ。

 ■森田洋之氏「力があっても受け入れない病院がある」

 前出の真野氏は、「一部の病院に集中しているのは事実だ。海外は公営の医療機関が多いが、日本では民間が多いことに起因しているのではないか」と指摘する。

 医療ジャーナリストで医師の森田洋之氏は、「中小の病院のように資源不足で受け入れが厳しい病院もあるほか、行政と調整をしている例もあるので一概にはいえないが、力があっても受け入れない病院があるのは間違いない」と語る。

 新型コロナ患者を受け入れている別の病院の幹部は、「新型インフルエンザの流行時と異なり、今回の新型コロナは診療をしない病院がある」と嘆息を漏らす。

 「民間病院も『経営』があるので、責められる問題でもない」(病院関係者)との声もあるが、どう対応すべきか。

 前出の森田氏は、「感染症は流行時期が限られるため『ビジネス』にはなりにくく、平時から病床などを確保しておくのは難しい。本来は第1波以降の約半年で対処しておくべき問題だが、
いまからでも他の病床を感染症病床に臨機応変に転床できる態勢の整備が必要だ。政府は補助金で支援し、業界団体も医療機関への要請を進め、自粛は最終手段に残すべきだ」と強調した。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/201228/dom2012280007-n3.html