空気読めない人=「病気」とみなされる現代 熊代亨さん

インターネットのおかげで私たちはこんなにも自由になったはずなのに、なぜ追われるように「いいね!」を求めるのでしょう。精神科医の熊代亨さんは、お互いを商品のように「値踏み」する社会が、居心地の悪さを生んでいると指摘します。

街の精神科医として感じるのは、いまなら発達障害などと診断されるような人が、昭和の時代にはあちこちで当たり前に暮らしていた、ということです。空気が読めなかったり、気が利かなかったりしても、煙たがられながらも職場や居場所があり、病気とみなされることはまずありませんでした。

そうした人たちが早い段階からの診断と治療を通じて、適切なサポートを受けられるようになったのは良いことです。
一方で、いまの社会はますます清潔で行儀良く、効率的で、コミュニケーション能力が求められるようになりました。それについて行けない人に対処する需要が高まったから、発達障害が「病気」として受け入れられたようにも感じます。

https://www.asahi.com/articles/ASNDX4SMBNDSUPQJ008.html