中国政府が電気自動車(EV)普及の壁となる
充電設備の整備を急ぐ中、バッテリーごと充電済み
のものと交換する方式に注目が集まっている。

交換時間は20秒〜5分と短く、充電に時間がかかる
EVの弱点を克服できるため、政府は交換用施設の
整備も推進。中国がEV普及を主導し「自動車強国」
を実現する狙いもうかがえる。

 北京市内にある新興EVメーカー・上海蔚来汽車(NIO)
のバッテリー交換施設。ピットにEVが入ると車両がゆっくり
持ち上がり、車体底部のバッテリーを機械が自動で交換した。
充電スタンドの急速充電なら1時間かかるが、約5分で作業が終わった。

同社は今夏、車体だけ販売してバッテリーはリースする
プランを発表した。約30万〜50万元(約475万〜790万円)の
EVが7万元(約110万円)安くなり、月額980元(約1万5500円)
で月6回までバッテリーを交換。月に2千キロは走れる計算で、
7回目以降は1回約100元(約1580円)で交換できる。

同社の交換施設は北京に15カ所あり、北京−香港間も200キロごとに
整備済み。担当者は「来年は北京に50カ所、全国で380カ所増やす。
バッテリー劣化の心配もいらない。今後はバッテリー交換方式EVが主流
になる」と力を込めた。

中国メディアによると、新エネ車メーカーの北汽新能源汽車も全国
に200カ所超の交換施設を建設。重慶市では、市政府の支援で
中心市街地の半径1キロごとに交換施設の整備が進む。

中国政府はEV普及へ「充電・バッテリー交換施設の整備を加速し、
バッテリー交換方式の応用を奨励する」との方針を打ち出した。

今後の課題は交換用バッテリーの規格共通化。
規格がメーカーで異なると施設の乱立や不足を招きかねない。
工業・情報化省は企業側に規格共通化を促し、北京や
海南省で実証実験を支援する考えだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/de97003195662a2783ec43d8dd5168afc1c18384