立て続けに「傷だらけの遺体」を病院前に放置 神奈川で続発“住吉vs.稲川の乱闘”はなぜ起きた?
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横浜市港北区の落ち着いた住宅街の一角にある中規模の病院。その正面入口の前に、全身に打撲痕があり、刺し傷まである男の遺体が放置されていた――。

【画像】暴力団員の傷だらけの遺体が放置された横浜市内の現場

「病院の前で人が倒れている」。その病院職員から110番通報があったのは12月5日。周囲も寝静まった深夜11時半ごろだった。

 屋外の駐車場に放置されていた男は、指定暴力団住吉会系組員(26)。駆け付けた警察により、死亡が確認された。病院敷地内や周辺では争ったような痕跡がなかったため、別の場所で暴行された後、この場所に置き去りにされたとみられる。

なぜ病院の前にわざわざ放置したのか?
 一体何のために、遺体は病院前に放置されたのか。

 実は神奈川県内では、その前夜から異変があった。「金属バットを持った人が男を追い回している」「全身血まみれの男性が助けを求めてきた」など物騒な110番通報が相次いだ。関東の暴力団の両雄とされる住吉会と稲川会の傘下組織の組員たちが5日未明から、神奈川県内各地で集団での乱闘騒ぎを起こしていたのだ。

 今回の乱闘で死亡したのは住吉会、稲川会双方の組員計2人。遺体は全身に傷があり、残忍な方法で暴行を受けていたことが判明。住吉会系の組員は前述の通り横浜市内の病院に、稲川会系の組員の遺体は横浜から約100キロ離れた群馬県太田市の病院前に放置されていた。

 ほかにも負傷者が出ているとされるが、巨大組織の間の衝突は同時多発的に発生したとみられ、全容解明に向けた警察の捜査が進められている。

前夜から神奈川で乱闘事件が続発していた
 最初の乱闘事件が発生したとみられるのは、神奈川県平塚市だった。

「金属バットを振り回している男がいる」

「金属バットを手にした男が逃げる人を追いかけ回している」

 地域住民からそんな物騒な110番通報が入ったのは、住吉会系組員の男が病院に放置される丸1日前となる12月5日午前1時ごろのことだった。

 神奈川県警平塚署員が、乱闘騒ぎが起きたとされる現場に駆け付けると、すでに金属バットを手にした男たちは姿を消していたが、周辺の捜索でバットのような凶器で窓ガラスが割られ、車体の各所がへこんだワンボックスカーを発見。車内や周辺からは血痕も確認された。

 車内からは暴走族関係者のものとみられる所持品を発見。「まもなく車の所有者が、住吉会系聡仁組の関係者だったと分かった」(神奈川県警の捜査幹部)という。