米大統領選で民主党のジョー・バイデン氏が当選を確実にし、宮城県内でも今後の活動に期待が広がっている。
バイデン氏は2011年の東日本大震災後に被災地の名取市を訪れた。
励ましを受けた被災者は、「とても優しい人だった。アメリカはもっと優しい国になる」と喜ぶ。

 発災5カ月後の2011年8月23日。当時副大統領だったバイデン氏は名取市の仮設住宅「美田園第1団地」を訪れ、
「皆さんに必要とされる間はいつまでもここにとどまり、皆さんを手助けする」と被災者らに強調した。

 同市への訪問は、米軍が「トモダチ作戦」として仙台空港の復旧に協力したのがきっかけという。米国の閣僚級以上の高官が被災地に入るのは初めてだった。

 バイデン氏は、自らの妻子を事故や病気で失った経験があり、震災で家族を失うことを「その気持ちがよく分かる」と語りかけた。

 集会所で言葉を交わしたという同市の桜井久一郎さん(80)は、「とても優しい人だった。大統領になれば、他の国との関係ももっと友好的になるのでは」と期待する。

 桜井さんによると、バイデン氏は128戸あった仮設住宅で、遠巻きに囲む被災者らに自ら近づき、時間をかけて一人ひとりとハグや握手を交わしたという。
「にこにことした笑顔が忘れられない。これから大変だが、がんばってください、と言ってくれた」

https://www.asahi.com/sp/articles/ASNC977QFNC9UNHB001.html