【ロンドン時事】英放送局チャンネル4の人気料理番組で、日本をテーマに料理の腕を競うはずが、出場者が
中華風やインド風の料理をつくってしまい、批判が殺到する事態となった。英紙インディペンデントは
「無知で差別的だ」との視聴者の声を伝えている。

 この番組は27日夜に放送された「ブリティッシュ・ベイクオフ」。アマチュアの料理人たちが毎週与えられたテーマに
沿って料理をつくり、その出来栄えを競う。今回の放送では「日本」がテーマとなり、「蒸しまん」「抹茶ミルフィーユ」
「KAWAII(かわいい)ケーキ」の三つが課題として設定された。

 ただ、出場者の一人は蒸しまんをパンダの顔のように飾り付けたほか、別の出場者もインドの食材を多用して
「カレーまん」を創作。「かわいいケーキ」でも、日本のシバイヌに似せた飾り付けをした出場者もいたが、
総じて抹茶パウダーを使用する以外は日本らしさに乏しかった。

 大衆紙サンは「蒸しまんはそもそも中華料理だし、『かわいいケーキ』も日本文化のキュートな側面に
触発されているが、日本料理の一部ではない」と課題設定を疑問視。同デーリー・ミラーは「ソーシャルメディアは
日本と中国の混同による『穏やかな差別』をめぐって論争するファンであふれている」と報じた。

 チャンネル4によると、この放送は平均で約700万人が視聴し、チャンネル占拠率は33%に上った。
当日で最も視聴された番組になったという。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020102900836&;g=int