https://news.yahoo.co.jp/articles/32a910db6a20334cdadb6d91c18f409257994449

深田晃司監督「鬼滅の刃のヒットは大資本だから。海外なら違法だし、自由で公正な競争とはいえず多様性を損ねてる」

「『鬼滅の刃』が今、バスや電車の時刻表かというくらい分刻みで上映されています。
ただ一方で考えなくはいけないのは、あれだけの規模で公開できるのは、TOHOシネマズを
持つ東宝の配給だからです。日本だと違和感ないかもしれませんが、事実としてアメリカで
あれば大手映画会社が映画館チェーンを持つことは禁止されていたりします。独禁法に抵触するからです。
強固なネットワークと大きな資本力を駆使した日本映画従来の方法論が、自由で公正な競争で
あると言えるのかは疑問です。日本でこれまで当たり前だった“商慣習”に『映画文化の多様性を守る』
という視点が十分に含まれているかは議論の必要があると感じています」

「また、コロナ禍で露わになった日本映画界の問題はほとんど解決されていません。端的に言うと、まずはお金の問題。映画を作るにはお金がかかります。そして資金を集める方法は『企業などの出資』『公的な助成』『寄付』のほぼ3パターンしかありません。

しかし日本は助成金が非常に少なく、寄付の文化も根づいていません。となると頼りになるのは出資ですが、これは性質上、ヒットが見込める娯楽大作に偏りがちになるという問題を孕んでいます」