>>37
現在バイカル湖の東岸にブリヤート蒙古自治共和國を建ててゐるブリヤート蒙古族の如きは、
スラヴ民族の侵略に抗して、17世紀時代勇敢に戰ひ、今のその當時築かれた防砦の跡が、同共和國の各地に殘ってゐる。
また17世紀の中葉にはコサックのハバーロフがK龍江の沿岸にまで達してゐる事實があり、
シベリアに對する侵略も17世紀時代には相當に强化してゐる。
それが18世紀になり、更に甚だしくなってゐる事實を我々は知るのである。

ペヨートル一世が1725年に沒し、1762年には有名な女帝のエカテリ12世が卽位された。
女帝は非常に豪奢な生活を營まれつつ、表面的には非常に華やかな時代に君臨されたが、
その裏面においては農民窮乏の驚くべき事実に直面し、これがロシアの民族政策の大きな癌となった。