トランプ支持、なぜ隠す アメリカ人にだって本音と建前

そこが気になる アメリカ大統領選
11月3日のアメリカ大統領選挙まで1カ月を切りました。4年前の選挙で、当初は泡沫(ほうまつ)候補だったトランプ氏の当選に
一役買ったと取り沙汰され、今回も注目されるのが「隠れトランプ支持者」の動向です。隠れトランプ支持者とは、
表向きは支持を明言しないものの、実はトランプ氏を応援している人たちのことです。
アメリカ人と言えば、もともと政治的な会話にオープンなイメージがありますが、なぜトランプ氏への支持は隠したいのか――。
アジア人とアメリカ人の心理や行動の違いを研究する北海道大学の結城雅樹教授(社会心理学)に分析してもらうと、
明るくポジティブといわれるアメリカの人たちに特有の葛藤が見えてきました。

 ――4年前に「隠れトランプ支持者」という言葉が新しく出てきました。どう思いましたか。

 「そんな人がいるのか」と驚きました。当時は、表向きはリベラルを標榜(ひょうぼう)している人たちが
こっそりトランプ氏に投票したということではなく、もともと保守的な人たちが世論調査から漏れてしまったのだろう、
つまりサンプリングが失敗したのだろうと思っていました。

 ――今はどう考えていますか。

 「隠れ」た現象なので実際に確かめるのは難しいかもしれませんが、現地の報道などを見ると、
意外にも白人の中間層や上流階級の人たちの一部にそのような人がいるのではないかと考えるようになりました。
――何が起きているのでしょう。