英国で29日、救急隊員がジェットスーツで現場に急行する「世界初のジェットスーツ救急隊員」の実験が成功した。
救助の在り方を変える可能性がある成果だ。

 イングランド北部の広い範囲で航空救急輸送を提供しているグレートノース・エア・アンビュランスサービス(GNAAS)は、
イングランド北西部にある湖水地方国立公園(Lake District National Park)で行われた実験を支援したと発表した。

実験では、操縦可能なジェットエンジン付きパワードスーツを開発したグラビティ・インダストリーズ(Gravity Industries)の創業者、
リチャード・ブラウニング(Richard Browning)氏が、谷底から、その上にある事故現場に見立てた場所まで徒歩なら25分かかる距離を90秒で移動した。

 実験の動画には、ヘルメットとゴーグル、そしてジェットパックスタイルの装置が付いた赤いフライトスーツを着用したブラウニング氏が、
1050bhp(制動馬力)のジェットスーツの出力を上げて地面から飛び上がり、岩だらけの地表のすぐ上を飛ぶ姿が映っている。

 GNAASのアンディー・モーソン(Andy Mawson)業務部長は、実験場所はGNAASの通報データを基に選んだと語り、
ジェットスーツが現実世界でどのように利用されていくのかは分からないが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で

医療の提供に負担がかかっている今、「限界を押し広げるのは大事だ」と述べた。

https://www.afpbb.com/articles/-/3307238