半導体大手キオクシアホールディングス(HD、旧東芝メモリHD)が、10月6日に予定した東京証券取引所への上場を延期する検討に入った。
主要顧客の中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)が、米中の貿易摩擦で米政府から取引規制を受けており、事業の環境が上場に適切でないと判断した。28日にも発表する見通し。
複数の関係者が明らかにした。上場は断念せず、時期を改めて調整する方針という。キオクシアは8月27日に上場が承認されたことを発表。9月28日に公募価格を決め、10月6日に東証1部に上場予定だった。
同社はスマートフォンなどでデータの記憶に使われる半導体「NAND(ナンド)型フラッシュメモリー」を製造し華為に納めている。製造装置は米国製だが、米政府が9月15日から新たな輸出規制を導入し、「米国製の半導体製造装置を使って製造した半導体」を華為へ輸出できなくなった。
高速通信規格「5G」の拡大で、NANDはデータセンター向けや5G対応スマホ向けの需要が伸びる見込み。
今は世界首位の韓国サムスン電子が2位のキオクシアの2倍近い売上高をあげるが、キオクシアは上場で資金を集めやすくして競争力を高めるねらいだった。(小出大貴)
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