伊藤匠三段 10.1現役最年少棋士誕生!小3で藤井2冠を泣かせた男、まず「戦えるところまで」

将棋のプロ養成機関・奨励会三段リーグの最終日対局が26日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、既に突破を決めていた伊藤匠三段(17)ら
3人が10月1日付でプロ入りすることになり会見した。伊藤は藤井聡太2冠(18)と同学年。藤井より3カ月若く、17歳11カ月の現役最年少棋士。
小学生時代には藤井に勝って号泣させたエピソードを持っている。

将棋界を席巻する若き天才を泣かせた男。そのイメージとは裏腹に伊藤は「棋士になれたことにホッとしている」と消え入りそうな声で話した。
「プロになると将棋(の対局)も公開される。今の実力では厳しい」との語り口は、17歳の少年らしい“おびえ”すら感じられた。

藤井と対戦したのは小学3年生だった2012年1月、小学館学年誌杯争奪全国小学生将棋大会の準決勝。敗れた藤井は人目をはばからず号泣。
それ以後、ほとんど涙を見せなくなったことから、伊藤には“藤井を最後に泣かせた男”の異名がついた。
これには「親から聞きましたが、自分はほとんど覚えていません」と苦笑いした。

藤井の現在の印象を聞かれると「第一線で活躍される“トップ棋士”」と答えた。小学生の頃とは大きく立場が変わった。
今の実力差を「かなり開いたと感じている。一手一手の精度、読みの精度が違う」と冷静に分析した。

ただ、常に意識する存在であることには変わりない。三段リーグは18年前期に初挑戦し、5期目の今回を15勝3敗の好成績で突破。
藤井より若い現役最年少棋士となることが決まった。決して歩みは遅くないが「三段リーグ5期は自分にとって長かった」との言葉が漏れた背景には、
瞬く間に頂点へと駆け上がった同学年の天才の姿があるのだろう。

「将棋に集中したかった」と高校は1年で中退。自身がプロ入りを懸けて苦悩する間に、かつてのライバルは2つのタイトルをつかんだ。
藤井がレジェンド羽生善治竜王(当時)を破った18年2月の朝日杯オープン戦準決勝と、続く広瀬章人八段との決勝で伊藤は記録係を担当。
目の前で、トップ棋士を次々と倒し優勝した藤井と自身を比べ「今は実力の差がある。現状では対戦することすら想像できない。
戦えるところまで行かなくてはいけない」と静かに闘志を燃やした。

目標を聞かれると「タイトル戦で活躍できる棋士になりたい。タイトルを獲れる棋士になりたい」ときっぱり。上り詰めたその先に、藤井の姿を見据えている。

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