陸自70年の歴史上初の女性戦車小隊長が誕生
女性戦車小隊長が誕生した背景には、これまで段階的に進められてきた、自衛隊における女性自衛官の配置制限解除があります。

北海道のおおむね中央に位置する第7師団。師団司令部が置かれている東千歳駐屯地から、車で20分ほど離れた位置にある、北恵庭駐屯地に所在する第72戦車連隊がその舞台となります。
第72戦車連隊にお邪魔すると、迷彩服に身を包み訓練準備をしている女性隊員を発見しました。この隊員が今回の主役となる、第72戦車連隊の黒川3尉です。

黒川3尉は一般大学を卒業後、自衛官としての道に進み、幹部候補生学校を卒業し、静岡県小山町に位置する陸上自衛隊富士学校において、初級幹部として必要な知識を学んできたホヤホヤの新米戦車小隊長であります。
彼女にインタビューすると、「もともと戦車に乗りたかった。その夢が叶えられてとても嬉しいです」と元気よく答えてくれました。

黒川3尉が任命された戦車部隊の小隊長という役職は、戦車4両からなる「小隊」の指揮を執りながら、「車長」として自らが乗る戦車の指揮も執るというものです。
戦車という乗りものには、数名の乗員が同乗しています。黒川3尉が乗る90式戦車は「操縦手」と「砲手」、そしてその車両を指揮する「車長」の3名が1チームとなって戦車を動かしているのです。

本来、戦車や火砲などは実弾を発射して敵を攻撃しますが、部隊対抗訓練で実弾を撃つわけにはいきません。そのため、戦車に搭載した専用の装置から赤外線を照射することによって、射撃のダメージを判定しています。

黒川3尉が率いる戦車小隊は、最初の攻撃では敵に撃たれてしまったものの、その後の攻撃では大きく敵陣地を迂回してうまく敵を倒すことができたそうです。

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