プラユット政権が発足して以来、最大規模の反政府デモが行われたタイの首都バンコクでは、デモ隊が国王に
対する批判を禁じた憲法の条項の撤廃など王制改革を求める要望書を政府側に提出しましたが、
事態が収束するかは不透明です。

タイでは軍事クーデターを主導したプラユット首相が去年の総選挙の後も引き続き政権を率いて軍の影響力を
背景に強権的な姿勢をとり、国王も現政権を追認しているとして、若者たちによる反政府デモが続いています。

19日から首都バンコクで行われていた抗議デモでは、主催者の発表で5万人以上が参加し、王宮前の広場を
夜通し占拠して集会を開き、「国は王室のものではなく国民のものだ」と記された金属製のプレートを広場に埋
め込むなどして、王制改革の必要性を訴えました。

そして20日朝、デモ隊は、国王に対する批判を禁じた憲法の条項の撤廃など王制を改革する10の要求項目が
記された要望書を携え、国王の諮問機関の枢密院に向かって行進を始めました。

しかし、警官隊に阻止されたため、デモ隊の代表が地元警察のトップと交渉し、枢密院に届けるようその場で
要望書を提出しました。

デモ隊の代表は、要求が実現するまで、今後も大規模デモを呼びかけるとしていて、これまでプラユット首相は
王制改革に応じる姿勢を全く見せていないだけに、事態が収束するかは不透明です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200920/k10012627591000.html